家出

中学2年生の冬だった。

部活帰りのジャージ姿で財布も持たずに家を飛び出した。

家を飛び出した夜はとても寒く、僕は家から近くの公園の障害者用のトイレで一晩過ごした。外にいるよりも暖かかったからだ。

トイレの中にいる途中、ザッザッという足音が聞こえ、僕のいるトイレの前で足音が止まった。

どこか聞き覚えのある足音で、すぐに僕はその足音の正体が僕を探しにきた父親だという事に気付いた。後から聞いた所確かに僕のいた障害者用トイレにも立ち寄ったという。僕は声をひそめて、その足音が過ぎ去るのを待った。

それから夜が明け早朝になった頃に僕はトイレから出て歩き始めた。

誰も僕を知らないような遠い所へ行きたかった。

徒歩で出来る限り歩いた。

辿り着いたのは、家から遠く離れたイオンモールだった。

一日中歩いて歩き疲れた僕はイオンモールで休憩を取った。

お腹が減っていたが、お金を持っていないのでどうする事もできなかった。そこで初めて自分の無力さを感じた。自分一人では何も出来ない。その事に情けなさを感じた僕は家出をして2日目の夜、公衆電話を使って自ら110番通報をした。その後、学校の先生や警察の方、親が来てしばらく話をした。親は無言で僕を抱きしめてくれた。

学校でも、各クラスで僕が家出して帰ってこないことを先生が伝えていたらしく、同級生から沢山の心配のメールが来ていた。申し訳なかった。

その後教育委員会に謝りに行ったり、少し大変だった。親には迷惑をかけたことを反省した。

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